(重要なお知らせ)遊休農地・非農地は相続税納税猶予の打ち切り対象になります
相続税納税猶予制度の適用農地で、遊休農地の状態になっているものに対して納税猶予を打ち切る動きが強まっています。会計検査院が「遊休農地・非農地に対する市町村農業委員会の指導が不十分である」と指摘し、すでに遊休農地・非農地となっている納税猶予適用農地は、納税猶予を打ち切るための措置をとるよう求めました。つまり、これまで以上に制度の運用が厳正になり、納税猶予打ち切りの手続きが、より確実に進められることになりました。
農業委員会は毎年1回、すべての農地を対象に「農地の利用状況調査」を実施。農地が適正に管理されていないと判断されると、農業委員会が農地所有者に「農地を適正に利用・管理してください」と指導します。これに従わない場合、手続き後に遊休農地として扱われます。相続税納税猶予適用農地であった場合、猶予制度が打ち切られ、元本だけでなく利息も含めて2カ月以内に支払うよう税務当局から求められます。
相続税納税猶予制度を受けている方
耕作放棄地は、納税猶予の打ち切り対象です。
税納税猶予適用農地の管理状況を今すぐ見直しましょう!
農業委員会の指導対象となる農地
- 耕作の目的に供されておらず、かつ今後も耕作される見込みのない農地(耕作放棄地)
- その農業上の利用の程度が、その周辺地域の利用の程度に比べて著しく劣っていると認められる農地(低利用農地)※耕しているだけの農地などは注意が必要
注意
納税猶予が打ち切りになると、多額の納税資金が必要になります。また遊休農地であることを理由に納税猶予が打ち切りになった土地は、登記簿上は「農地」なので、当該土地は簡単に処分できません。
遊休農地に対する納税猶予打ち切りまでの流れ
(原則、1年を上限に農業委員会が設定)
期限内に遊休農地が解消されない場合、猶予を受けた農地が遊休農地である旨を農業委員会から所有者に通知、もしくは公告される(以降、相続発生、贈与の時期により対応がわかれる)
①相続・贈与の時期が平成21年12月15日以降の場合
農業委員会から通知がなされると、耕作放棄された旨が税務署に報告され、納税猶予が打ち切られる。
②相続・贈与の時期が平成17年4月1日〜平成21年12月14日の場合
遊休農地である旨の通知から6週間以内に利用計画を作成し、農業委員会に提出する、提出されない場合、耕作放棄された旨が税務署に通知され、納税猶予が打ち切られる。
また、提出しても、利用計画が不適切な場合や守られない場合、農業委員会から勧告を受ける。勧告に従わない場合、所有権移転などの協議を行う旨が通知される(協議は拒否できない)。
当該通知がなされると、耕作放棄地の旨が税務署に報告され、納税猶予が打ち切られる。
③相続・贈与の時期が平成17年3月31日以前の場合
②の協議を行う旨の通知までと同様の手続きがとられ、協議成立などにより、所有権の移転などがあった場合、猶予は打ち切られる。
また所有権いてんなどの協議が不調に終わった場合は、県知事から「特定利用権」設定の裁定を受け、公告される。当該公告がなされると、耕作放棄の旨が税務署に報告され、納税猶予が打ち切られる。