それいけ!食農探検隊
ネギは名脇役
ネギは名脇役
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これより、食農探検隊会議を開催する。今回の議題は?
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今回の議題は「ネギには青ネギと白ネギがありますが、どんな栄養があるのですか」です。初めにネギの栄養、効能についてあぐりちゃんからの報告です。
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報告します。ネギはベータカロテン、ビタミンC、辛み成分のアリシンなどを含みます。ベータカロテンやビタミンCは青い部分、アリシンは白い部分に多く含まれています。そのため、青ネギは緑黄色野菜、白ネギは淡色野菜に分類されます。
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昔から風邪にはネギが良いと言われてきたわね。なぜかしら?
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日本におけるネギ本来の旬は11月~2月、風邪の季節とも言えます。アリシンには殺菌作用やビタミンの吸収を促す、ベータカロテンは粘膜の健康を保つ、ビタミンCは白血球の働きを強くすると言われています。生のネギを切ると出るヌルヌルした液体は、地域によって「アン」、「ナメ」、「ヌル」などと呼ばれていますが、これも免疫の力を強くすることが期待できます。
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ネギには色々な食べ方があるよね。どんな料理がおすすめかな?
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アリシンは独特なにおいの元でもあるので、焼きネギにして辛みとともに落ち着かせていただくのがおすすめです。火を通すという意味で鍋物の具にすることもおすすめです。逆にビタミンCは熱に弱いので刻んで薬味にするのがおすすめです。以上です。
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ネギを生で食べて急な効き目を期待しても、食べ過ぎると胃が荒れるそうだから、火を通したものを食べて、のんびり期待した方が良さそうだね。次の報告は?
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続いて、ネギの歴史についていっとくんからの報告です。
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報告します。ネギは植物学の発展によって所属が度々変更されています。最新の分類ではヒガンバナ科ネギ属に属しています。原産地は現在の中国西部から中央アジアのあたりとされています。中国では古く2000年以上前から栽培され、日本に伝わったのは5世紀ごろです。
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ネギはその香りで食欲をそそるよね。どんな使われ方をしていたのかな?
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ねぎまという料理があります。ネギと鶏肉を交互に串に刺した焼き鳥を思い浮かべがちですが、元々は「葱鮪」と書き、ネギとマグロの切り身をしょうゆで煮込んだものでした。現在でも鍋料理にあります。ネギはマグロの臭みを消してうま味をもたらします。肉や魚料理の臭み消しに重宝されます。
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ネギをちょっと加えるだけで美味しさが増すことも多いわね?
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たっぷりのネギをキツネ色になるまで揚げて、香りを油に移した「ネギ油」は香ばしくて風味がよく、チャーハンや野菜炒めに加えると味が引き立ちます。ネギをみじん切りにして塩、レモン汁、ゴマ油を混ぜ合わせた「ネギ塩だれ」は、鶏の唐揚げ以外にも炊き立ての熱々ご飯や冷奴にかけても美味しいです。ネギには薬味以外にもこういった使い方もできるのです。以上です。
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風邪には良い働きをし、油で揚げても生で刻んでも他の食材を引き立てる。まさしくネギは名脇役だね。
補足
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お寺には「不許葷酒入山門」を掲げているところがあります。これは「葷酒山門に入るを許さず」と読み、お酒と強いにおいがするネギ、ニラ、ニンニクなどの野菜はお寺に持ち込んではならない、という意味です。理由は修行の邪魔になるから…。ですが、逆に言えばネギなどのにおいの強い野菜は、それだけ引き付けられるものがあるのでしょうね。