それいけ!食農探検隊
砂糖について
砂糖について
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これより、
食 農 探検 隊 会議 を開催 する。今回 の議題 は? -
今回 の議題 は「砂糖 は甘 いだけの調味料 ですか」です。初 めに、砂糖 の化学的 性質 についてあぐりちゃんからの報告 です。 -
報告 します。砂糖 は化学的 にはショ 糖 ・ブドウ 糖 ・果糖 ・麦芽糖 ・乳糖 などが混 ざったものです。その大部分 はショ 糖 ですが、これらの糖類 は緑色 植物 が太陽 の光 エネルギーを使 って、水 と二酸化 炭素 を原料 にして、光合成 で作 り出 すものです。タンパク 質 も脂肪 も糖類 が原料 ですので、光合成 はすべての生 き物 の栄養 の出発点 です。 -
緑色 植物 は本当 に偉大 ね。砂糖 はどんな使 われ方 をするのかしら? -
砂糖 は甘味 を与 える調味料 であることは確 かなことです。しかし、お料理 の味付 けだけに使 われるのではありません。パンを膨 らませたり、肉 を柔 らかくしたり、水分 を抱 えこんだり、アミノ 酸 と反応 して香 ばしい匂 いや色 をつけたりする力 を持 っています。 -
料理 の味付 けは「さしすせそ」といわれるよね。なぜ、「さ」の砂糖 が最初 なんだい? -
物質 の最小 単位 のことを分子 といいます。また、「さしすせそ」とは順 に砂糖 、塩 、酢 、しょうゆ、みそのことです。分子 の大 きさでは塩 より砂糖 の方 が大 きいので、逆 にすると小 さい塩 にじゃまされて砂糖 が染 み込 みづらくなります。また、残 りの三 つは発酵 食品 なので、火 を通 し過 ぎると風味 や香 りが減 ってしまいます。なので、この順 に入 れることが基本 とされているのです。以上 です。 -
食材 も調味料 も適材適所 でむだなく使 いたいよね。次 の報告 は? -
続 いて、砂糖 の歴史 についていっとくんからの報告 です。 -
報告 します。砂糖 の世界 での歴史 は古 く、2000年 は悠 に超 えます。現在 のインドではサトウキビの茎 を搾 り、できた汁 を煮詰 めて作 ることが行 われていました。砂糖 は交易 が盛 んになるにつれて東西 に伝 わっていきました。ただし、サトウキビは高温 多湿 を好 む作物 なので、生産 地 は広 まらず、どこでも最初 は貴重品 扱 いでした。 -
たしかにサトウキビは
暑 い地域 で育 つ作物 だよね。育 たない地域 ではどうしたの? -
ヨーロッパではサトウキビの
代 わりとなる作物 の研究 がなされました。18世紀 になってサトウダイコンともビートとも呼ばれるテンサイの根 からも砂糖 が採 れるようになり、テンサイ自体 の品種 改良 も相 まってヨーロッパの各国 で砂糖 の生産 がされるようになりました。現在 の日本 では砂糖 の原料 として北海道 ではテンサイ、沖縄 や九州 ではサトウキビが生産 されています。 -
日本 では二 つとも利用 しているのね。日本 の砂糖 の自給 率 はどれくらいかしら? -
世界 の各国 と比 べると日本 の砂糖 の消費 量 は非常 に少 ないのですが、産地 が南北 に限 られているのもあって、自給 率 は35%くらいです。輸入 品 の大部分 はオーストラリアからで、続 くのはタイです。以上 です。
補足
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光合成 の仕組 みには大 きく2段階 あります。「光 のエネルギーを使 って水 を水素 と酸素 に分解 する」ことと、「できた水素 と二酸化 炭素 で糖類 を合成 する」ことです。緑色 植物 では葉緑体 がこれらの作業 を担 います。葉緑体 に代 わる触媒 を作 って、光合成 でエネルギーを得 ようとする研究 が「人工 光 合成 」です。実用 化 できれば環境 問題 も大 きく改善 できるものですが、現在 でも完全 なものはできていません。緑色 植物 や葉緑体 の偉大 さが分 かりますね。