それいけ!食農探検隊
負けるな、カリフラワー!
負けるな、カリフラワー!
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これより、食農探検隊会議を開催する。今回の議題は?
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今回の議題は「つぼみを食べることでは同じのカリフラワーとブロッコリーは何が違うのですか」です。初めにカリフラワーの歴史についていっとくんからの報告です。
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報告します。カリフラワーとブロッコリーはどちらもアブラナ科アブラナ属に属します。植物の種としてはどちらもヤセイカンランです。原産地はヨーロッパ地中海沿岸ですが、ケールが突然変異してブロッコリーになり、ブロッコリーがさらに突然変異してカリフラワーになったと言われています。
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畑で育てているときに見分けるにはどうしたら良いのかしら?
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カリフラワーは茎があまり伸びず、葉を地面に広げます。ブロッコリーは茎を伸ばして葉を空中に広げます。どちらも主につぼみを収穫しますが、カリフラワーは現在のところ1本の茎に1つしか収穫できないことに対して、ブロッコリーは茎の頂点にできるつぼみを収穫した後に、わき芽からも小さなつぼみができて収穫できます。日本ではカリフラワーは白いものが多いですが、白くするために外側の葉でつぼみを包んで光を遮ります。
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カリフラワーは白くするためにそんな手間暇をかけているんだね。日本にはいつ来たのかな?
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ブロッコリーと同じく明治の初めに日本に来て、昭和の中ごろになっての食生活の洋風化が始まったころに多く栽培、食べられるようになりました。カリフラワーが先に広まっていたのですが、緑黄色野菜ブームによるブロッコリー人気に押されて最盛期の半分以下に落ち込んでいます。それでも、旬の11月から3月には店先に並ぶ人気野菜です。以上です。
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現在はブロッコリーに押されているが、カリフラワーも美味しい野菜だよね。次の報告は?
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続いて、カリフラワーの栄養、効能についてあぐりちゃんからの報告です。
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報告します。基本的にカリフラワーは淡色野菜、ブロッコリーは緑黄色野菜に分類されます。したがって、ベータカロテンはブロッコリーが勝ることになりますが、ビタミンCはカリフラワーが勝っていて、温州ミカンの2倍くらいあります。風邪や感染症の予防になります。
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どんな調理をするのかな?
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新鮮なものは生でサラダにして食べることができます。下処理で茹でることやホワイトソースでグラタンにすることが多いのですが、熱に弱いビタミンCも組織がしっかりとしているカリフラワーではあまり減りません。組織がしっかりしていることは歯ごたえを楽しむことにつながりますから、柔らかくなり過ぎないように下処理の茹で時間にも気を付けたいですね。
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もしかしてカリフラワーは見た目の白さで損をしているのかな?
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実は、カリフラワーは白い…、ということも、いっとくんの報告にもあるように光を遮ることで白くしているので、正しくありません。また、オレンジ色や紫色のカリフラワーもあります。ブロッコリーにも紫色のものがありますが、茹でると色素が全部溶け出て緑色になってしまうのに対し、カリフラワーは紫色が残ります。組織がしっかりしているからこそですね。以上です。
補足
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日本においてのカリフラワーとブロッコリーの人気具合は、カリフラワーが先行してブロッコリーが逆転して現在に至っています。本編にもあるようにアブラナ科野菜は大きく変化することが多く、つぼみが渦巻き状に並んで人気のロマネスコもカリフラワーの一種です。お互いに新しいものを出し合って競っているのでしょうかね。