それいけ!食農探検隊
がんばれ、ブロッコリー!
がんばれ、ブロッコリー!
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これより、食農探検隊会議を開催する。今回の議題は?
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今回の議題は「最近、ブロッコリーの仲間の野菜が増えていますがなぜですか」です。初めにブロッコリーの栄養、効能についてあぐりちゃんからの報告です。
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報告します。ブロッコリーは緑黄色野菜に分類されます。ベータカロテンが豊富に含まれていますが、他にもビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB6、葉酸、食物繊維など多くの栄養が含まれています。風邪の予防や便秘解消などの効能がありますが、昨今では筋トレにも効果があるとして人気がより大きくなっています。
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どうして筋トレに効果があるのかな?
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筋肉はタンパク質でできていますが、ただ、食べてトレーニングをするだけで身につくものではありません。食べたタンパク質はアミノ酸まで分解されて吸収されます。わたしたちの体の中で、アミノ酸を再度、タンパク質に組み立てていくのですが、筋肉にするにはブロッコリーに多く含まれているビタミンB6の助けが必要なのです。
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では、どんなお料理がおすすめかしら?
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話題になったビタミンB6を効率的に取りたいのなら、炒め物や蒸し物にしたり、生のままサラダや酢の物にしたりするのがおすすめです。グラタンのようなしっかり火を通す料理でも美味しくいただけますが、ビタミンB6は水に溶けやすいので、煮汁もすべていただきましょう。以上です。
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サラダも炒め物もしっかり火を通しても美味しい。ブロッコリーは優れものだね。次の報告は?
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続いて、ブロッコリーの歴史と現在の状況についていっとくんからの報告です。
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報告します。ブロッコリーはアブラナ科アブラナ属に属します。植物の種としてはヤセイカンランで、キャベツやメキャベツ、ケールも同じです。原産地はヨーロッパ地中海沿岸ですが、ケールが突然変異してブロッコリーになったといわれています。
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日本にはいつ来たのかな?
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明治の初めごろに日本に来ました。しかし、多く栽培、食べられるようになるのは、昭和の中ごろになって食生活の洋風化が始まったころです。アブラナ科植物には交雑といって、他の植物と花粉で交じり合うことを起こしやすい性質があります。その性質を利用して、ブロッコリーに様々な野菜を掛け合わせて、新しい野菜が作り出されています。
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議題にもあるように仲間の野菜が増えているのね。どんな野菜が生まれているの?
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三重県ではケールと掛け合わせた「アレッタ」、山口県では中国野菜のサイシンと掛け合わせた「はなっこりー」、島根県ではビタミン菜と掛け合わせた「あすっこ」が生まれています。ブロッコリー自体の品種改良も盛んで、茎を太くする研究も進んでいます。以上です。
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ブロッコリーはつぼみを主に食べるけれど、茎も美味しいよね。茎が太くなれば風にも強くなるだろうし期待したいね。
補足
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本編には出ていませんが、カリフラワーやロマネスコ、コールラビといった、いかにも西洋をイメージする野菜も植物の種としてはヤセイカンランです。自然の状態でもヤセイカンランにはこれほど大きな差があるのですから、人の手による品種改良でどれだけの美味しい野菜が生まれるか今後も注目ですね。