それいけ!食農探検隊
オリーブの…何を作ろう
オリーブの…何を作ろう
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香川県の小豆島に旅行したときにオリーブの実のてんぷらを食べたんだ。
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オリーブの実のてんぷら?絞ったオリーブオイルを使った料理じゃなくて実を食べたの?
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オリーブには品種がたくさんあって、実を食用とする場合でもオイル向きも漬物向きもあるのよ。葉をお茶にすることもあるし。
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その上、オリーブは鉢植えにして観賞用にすることもある。冬でも葉を落とさない常緑樹で、銀色がかった葉がきれいだからね。
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オリーブオイルしか知らなかった…。葉をお茶にもできて観賞用にもなるなんて…。そんなオリーブの実にはどんな栄養があるんですか?オイルが採れるから油が多いことは分かりますけれど。
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オリーブの実にはベータカロテン、ビタミンE、鉄分、食物繊維、ポリフェノールなどの栄養素が含まれているの。鉄分は貧血、食物繊維は腸内環境の改善に欠かせないし、残りの3つは生活習慣病の原因となる活性酸素から体を守ってくれるわよ。
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では、オリーブの葉にはどんな栄養があるんですか?
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オリーブの葉にはポリフェノールが実を超えるほどあるの。生活習慣病に対しては実より強いことになるわね。お茶にすることは理にかなっているわけね。
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オリーブオイルには色々な使い方がありますね。
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定番の使い方は「炒め物に使う」「サラダにそのままかける」といったところかな。最近のお料理番組では、仕上げにちょっとだけ使うとか、鍋物に入れるとかあるし、今後も広がりそうね。ただし、油なのだから食べ過ぎると太るわよ。気を付けましょうね。
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では、オリーブの実ってどんな食べ方があるんですか?
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オリーブの実は渋くて生では食べられないから、あく抜きしてから塩漬けや酸味のあるピクルスにするの。地中海沿岸の国では常備菜として出てくるわよ。いっとくんが食べたてんぷらは小豆島で考案されたもののようね。
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そう言えば、オリーブは小豆島の印象が強いですね。なぜですか?
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オリーブ栽培は世界では5000年以上の歴史があって、現在の生産量はスペインがトップだ。スペインと比べると日本での生産は微々たるものだが、都道府県別に見ると香川県がダントツになる。その中でも小豆島がほとんどを占めているからかな。
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そもそも、オリーブはいつごろ日本に来たんですか?
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オリーブオイルと実の漬物が日本に来たのは鉄砲伝来のころと言われているから室町時代の後半、戦国の世の真っただ中に来たことになる。海外との交流がほとんどなくなってしまった江戸時代では、医者の中でも蘭方医と呼ばれた方の一部が薬としてオリーブオイルを輸入して使っていたくらいになってしまった。
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オリーブオイルをわざわざ輸入していたとなると、日本での栽培は江戸時代まではできていなかったことになりますね?
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江戸時代の末にもなるとオリーブオイルが体に良いことが知られるようになった。幕府も木を輸入して栽培しようとしたんだけれど、うまくいかなかったようだ。
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では、いつごろから日本でも栽培できるようになったんですか?
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明治時代の末になってイワシの缶詰用にオリーブオイルを国産化しようと、三重、香川、鹿児島の各県が選ばれて試験栽培したんだが、成功したのは小豆島だけだったそうだ。瀬戸内海はオリーブの原産地の地中海沿岸に気候的に似ているからだろうね。
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現在の日本ではオリーブオイルが人気ですけれど自給率はどれくらいですか?
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日本でのオリーブオイルを始めとするオリーブの消費量は年々増えているが、自給率は0.1%にも満たないとされている。栽培の歴史自体も短い。品種や栽培技術の改良にやることはいっぱいあるだろうね。
補足
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オリーブは品種改良も盛んに行われていて、その数は1000以上といわれています。日本でも冬に雪が積もるような地域でなければ、東北から九州まで産地が見受けられます。鉢植えでも実らせることができますが、基本的に自分の花粉では実を付けることがないので、同じ時期に花が咲く異なる品種を育てる必要があります。