それいけ!食農探検隊
あれもこれもズッキーニ
あれもこれもズッキーニ
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これより、食農探検隊会議を開催する。今回の議題は?
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今回の議題は「近ごろはスーパーにも普通に売っているズッキーニは何の仲間ですか」です。基礎情報として、ズッキーニの栄養、効能についてあぐりちゃんからの報告です。
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報告します。ズッキーニは水分が95%でカロリーも低く、ダイエット向きの食材として好まれています。ただし、水ばかりと侮ってはズッキーニに失礼です。高血圧やむくみの予防に役立つカリウムを多く含み、ベータカロテンやビタミンCも持っています。
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どんなお料理がおすすめかしら?
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淡白な味でくせが無いため、煮て良し、焼いて良し、揚げて良しとどんな料理にも合わせることができます。ズッキーニを使う料理では、イタリアのカポナータや南フランスのラタトゥイユが有名ですが、茶わん蒸しや揚げ浸しなどの和食でも美味しくいただけます。
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どんな所で栽培されているのかな?
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ズッキーニが日本に初めて来たのは1977(昭和52)年ですが、新鮮さが重要なので長野県や宮崎県などではハウス栽培も盛んにされています。現在の日本市場は国産品がほとんどで、輸入物はメキシコやアメリカなどわずかです。以上です。
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いかにも西洋野菜との印象があるズッキーニ。現在の日本に出回っているのは国産品がほとんどなのか…。意外だね。次の報告は?
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続いて、ズッキーニの歴史についていっとくんからの報告です。
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報告します。ズッキーニはウリ科カボチャ属に属し、原産地は現在のメキシコあたりとされています。ハロウィンの飾りに使われるカボチャに似た形をしているのですが、イタリアで現在の主流の細長い形に改良されました。カボチャ属の特徴で栽培品種による差が大きく、ボールのような丸いものや円盤型のもの、白色やオレンジ色のもの、大きさが2mを超えるものもあります。
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そんなに違いがあるのに、みんなズッキーニと言える理由は何なの?
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実と茎をつなぐヘタの断面は星形であるという共通点があるのです。葉の切れ込みが深いところも共通点と言えます。ズッキーニが初めて日本に来たときにその形ゆえにドタバタ劇を起こしています。
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農産物でドタバタ劇?どんなことが起こったんだい?
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初めて輸入されたのは緑色の細長い形、現在のわたしたちから見ればごく普通のズッキーニなのですが、税関からはキュウリでは?と疑われました。当時は伝染病を日本に入れないために、キュウリの輸入が禁止されていたので、そのまま焼却されるところでした。あわてた輸入業者がカボチャの仲間であると証明できたので、事なきを得たという話があります。以上です。
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初めてすることにはトラブルが付き物だけれど…。もし、カボチャと分からなかったら、ズッキーニは日本に来ることがなかったのかな?
補足
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海外旅行から帰国したとき、手荷物検査でお土産の食べ物を取り上げられた経験をお持ちの方もいるのでは…。でも、これは本編でいっとくんが報告したように伝染病を防ぐために必要不可欠なものです。その対象が人間であれ、動物であれ、植物であっても…。作った場所で美味しくいただく「地産地消」がここでも有効ではないでしょうか。