それいけ!食農探検隊

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  • #074

渋柿しぶがきあまくするには

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渋柿しぶがきあまくするには

  • キャラクター

    これより、(しょく)(のう)探検(たんけん)(たい)会議(かいぎ)開催(かいさい)する。今回(こんかい)議題(ぎだい)は?

  • キャラクター

    今回(こんかい)議題(ぎだい)は「渋柿(しぶがき)(あま)くするにはどうすれば()いのですか」です。渋柿(しぶがき)(あま)くする渋抜(しぶぬ)方法(ほうほう)色々(いろいろ)ありますが、あぐりちゃんは「樽抜(たるぬ)(がき)」を、いっとくんは「()(がき)」を調(しら)べてくれました。(はじ)めにあぐりちゃんからの報告(ほうこく)です。

  • キャラクター

    報告(ほうこく)します。「樽抜(たるぬ)(がき)」の(つく)(かた)(つぎ)のとおりです。
    渋柿(しぶがき)の「へた」に焼酎(しょうちゅう)をぬる。
    ②ビニール(ぶくろ)などに密封(みっぷう)する。
    ③30℃くらいの温度(おんど)(たも)って、7(にち)くらいするとできあがりです。

  • キャラクター

    (たる)使(つか)っていないようだけれど、なぜ、「樽抜(たるぬ)(がき)」と()ぶの?

  • キャラクター

    この方法(ほうほう)江戸時代(えどじだい)(から)になった直後(ちょくご)酒樽(さかだる)渋柿(しぶがき)()れていたら(あま)くなったことから()つけられました。ビニール(ぶくろ)出回(でまわ)るようになる(まえ)実際(じっさい)(たる)使(つか)っていました。その由来(ゆらい)から使(つか)道具(どうぐ)()わっても「樽抜(たるぬ)(がき)」と()ばれています。

  • キャラクター

    焼酎(しょうちゅう)使(つか)うと(あま)くなるのはなぜかな?

  • キャラクター

    (しぶ)さの原因(げんいん)はタンニンです。「へた」から(はい)った焼酎(しょうちゅう)のエタノールはやがてアセトアルデヒドになって、タンニンと(むす)びついて(みず)()けないようにします。わたしたち人間(にんげん)味覚(みかく)(みず)()けないものの(あじ)(かん)じません。(しぶ)みを(かん)じなくなって(あま)さが(のこ)ることになります。渋抜(しぶぬ)きとはタンニンをアセトアルデヒドで(みず)()けなくする作業(さぎょう)なのです。以上(いじょう)です。

  • キャラクター

    (しぶ)みの原因(げんいん)()()すのではなくて、(みず)()けなくしているんだね。

  • キャラクター

    (つづ)いて、いっとくんからの報告(ほうこく)です。

  • キャラクター

    報告(ほうこく)します。「()(がき)」の(つく)(かた)(つぎ)のとおりです。
    渋柿(しぶがき)の「へた」を()る。
    (かわ)をむく。
    ()す。(むかし)ながらの風通(かぜとお)しの()場所(ばしょ)での天日(てんぴ)()しもまだまだありますが、品質(ひんしつ)安定(あんてい)させるために乾燥(かんそう)(しつ)()農家(のうか)さんが()えています。

  • キャラクター

    ()すと(あま)くなるのはなぜかな?

  • キャラクター

    (かき)(かわ)をむかれると乾燥(かんそう)(ふせ)ぐために表面(ひょうめん)(うす)(まく)(つく)ります。この(まく)空気(くうき)(とお)さないので、「へた」まで()られた(かき)酸素(さんそ)不足(ぶそく)状態(じょうたい)になります。植物(しょくぶつ)細胞(さいぼう)では酸素(さんそ)()状態(じょうたい)でアルコール発酵(はっこう)することが多々(たた)あります。つまり、(かき)自分(じぶん)でエタノールを(つく)ってしまうのです。エタノールができてからはあぐりちゃんの報告(ほうこく)(おな)(なが)れになります。

  • キャラクター

    ()(がき)」はいつごろから(つく)られているのかしら?

  • キャラクター

    日本(にほん)では「()(がき)」は平安時代(へいあんじだい)記録(きろく)にあります。その歴史(れきし)は1000(ねん)以上(いじょう)になります。甘柿(あまがき)登場(とうじょう)鎌倉時代(かまくらじだい)になってからなので、それまでは渋抜(しぶぬ)きをすることが必須(ひっす)だったことになります。以上(いじょう)です。

  • キャラクター

    (かき)はことわざにも「(かき)(あか)くなると医者(いしゃ)(あお)くなる」と()われるように栄養(えいよう)豊富(ほうふ)だ。(かき)学名(がくめい)は「ディオスピロス・カキ」と日本語(にほんご)がそのまま使(つか)われている。「ディオスピロス」は日本語(にほんご)では「神様(かみさま)()(もの)」となるそうだ。そんなすばらしい(かき)長期(ちょうき)保存(ほぞん)できる「()(がき)」を発明(はつめい)したご先祖(せんぞ)(さま)には感謝(かんしゃ)しなくてはいけないね。

補足

  • キャラクター

    本編(ほんぺん)では渋抜(しぶぬ)きを議題(ぎだい)にしました。ところで柿渋(かきしぶ)(がい)をなすだけのものでしょうか?そんなことはありません。柿渋(かきしぶ)消毒(しょうどく)(よう)アルコールを()ぜたものを、()食器(しょっき)、まな(いた)、トイレに霧吹(きりふ)きで()きかけるとウイルスにも効果(こうか)があるとの研究(けんきゅう)もあります。(ふる)くから柿渋(かきしぶ)防腐(ぼうふ)(ざい)塗料(とりょう)として使(つか)われてきました。ご先祖(せんぞ)(さま)たちは経験(けいけん)()っていたに(ちが)いありませんね。